厭な小説


京極夏彦さんによる『厭な小説』が発売になりました。
早速読んでみましたが、本当に厭な小説ばかりでした。
厭な小説でもその厭さ加減が面白いです。
そこで、厭な小説を集めてみました。主に、ひとりの作家に集中してしまいましたが・・・

 厭な小説の書き手として真っ先に思い浮かぶのが、岩井志麻子さん。
 どれもこれも、そこかしこに厭さ加減がにじみ出ているような気がします。
1 『魔羅節』 岩井志麻子 新潮社(文庫) 事ー棚9 \200
「ぼっけいきょうてい」と同じく方言を巧みに操り綴られた物語。
暗部がこれでもかとあふれだす、ほんとに厭な話。

『悦びの流刑地』 岩井志麻子 集英社(文庫) 事ー棚68 \200
薄幸の姉と盲目の弟が繰り広げる不気味な関係。閉鎖された空間、関係の
中で、全てが混ざり合ってぺとぺとになります。この作者らしい陰鬱さ。

『偽偽満州』 岩井志麻子 集英社 事ー棚183 \600
逃げた男を追いかけ金を奪い、人を殺し大陸を駆け巡るま女郎の物語。
ここでもやはり岩井志麻子独特の世界が展開します。

『無傷の愛』 岩井志麻子 双葉社 事ー棚512 \800
現代の怪談なのでしょうが、恐ろしく、厭なのは、やはり岩井志麻子さん描く
ところの人間でした。怪しくも厭な話を描かせると天下一品です。

『タルドンネ』 岩井志麻子 講談社 事ー棚513 \800
韓国で実際にあった連続大量殺人事件をもとにした小説。もはや人間の
向こう側に行った犯人の精神も行為も強烈で、一読忘れがたい。

『恋愛詐欺師』 岩井志麻子 文藝春秋(文庫) ケース2-8 \250

紹介文通り岩井志麻子版「黒い報告書」。厭な女性がたくさん出てきます。
 岩井志麻子さんに続き、厭な小説の新女王とも思えるのが湊かなえさん。
 注目の新人です。
『告白』 湊かなえ 双葉社 事ー棚191 \700
とても話題になったデビュー作。
後味が賛否両論でしたが、個人的には爽快感すら覚えました。
厭な話ではあるのですが、ぐんぐん読み進むことができます。

『少女』 湊かなえ 早川書房 事ー棚192 \700
続く2作目も、充分に厭な話。1作目に比べると衝撃度は落ちますが、
内包されている厭さ加減はまだまだ健在だと思います。
 その他、読中読後に厭だなぁ〜と感じたものを2点。
『ピアッシング』 村上龍 幻冬舎(文庫) 事ー棚137 \200
殺人衝動のある男と睡眠薬常用者の女の2人の物語。
賛否両論あるかと思いますが、とりあえず、厭な話です。
厭な話というよりは、イタイ感じがひしひしとしました。
『悪魔が目を閉じるまで(上、下)』 デイヴィッド・リンジー
                        新潮社(文庫) 事ー棚341 \600

サイコvs警察で、厭ではない話はないとは思うのですが、この小説の厭さ加減は、なかなか強烈でした。一気読みできます。
なぜ死体に装飾を施すのか、なぜ性的倒錯者になったのか。
厭な話、かつ恐ろしい小説です。

 確かに厭な小説ばかりなのですが、引き込まれてしまいます。
 厭さも人により様々なのでしょうから、もっといろいろあるかもしれません。
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